前歯が出ている(出っ歯)
上の前歯が他の歯よりも出っ張っている状態を「出っ歯」といいます。出っ歯には上顎そのものが前にずれている場合と、上顎の前歯だけが斜めに生えてしまっている場合とがあり、骨格など先天的なことが原因になることや、指しゃぶりや口呼吸など後天的なことが原因になることもあります。出っ歯であると、見た目にコンプレックスを持ちやすい、虫歯や歯周病になりやすい、転ぶ・ぶつけるなどした際に前歯を怪我しやすいなどのデメリットがあります。
出っ歯の状態を放置して顎の成長が終わってしまうと、手術治療が必要となるなど、矯正治療も大掛かりになることが予想されます。そのため、成長がまだ未発達である9〜11歳ごろに矯正治療専門の歯科医院を受診することが大切です。
歯ならびがガタガタ(叢生)
歯が綺麗に生えそろわず、前後にガタガタしている状態のことを「叢生(そうせい)」といいます。叢生には、顎のサイズが小さい、歯1本1本が大きいなどといった先天的な原因と、歯の生え変わりのタイミング、指しゃぶりなどによる後天的な原因があります。叢生であることで、見た目へのコンプレックスはもちろん、磨き残しによる虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。
乳歯の段階ですでに歯並びがガタガタであると、永久歯でも歯並びがガタガタになる傾向があります。お子様の歯並びで気になることがあれば、早めにご相談を頂ければと思います。
口がぽかんと空いている(口呼吸)
口呼吸には、口が乾きやすくなることによる虫歯・歯周病の恐れや、集中力の低下など様々なデメリットがあります。口呼吸の方は口元の筋肉をうまく使用できないため、これが習慣化すると、出っ歯などの歯並びの乱れを引き起こしてしまう恐れもあります。
予防矯正では、マウスピースなどの矯正器具を使って口呼吸のクセを改善し、口元の筋肉を正しく使用できるように訓練します。お子様が「常に口を開けている」「口呼吸をしている」と感じたら、受診しましょう。
ごはんを食べるときにクチャクチャと音を立てる
噛み切る、すりつぶすなど、食事には正しい咬み合わせが必要です。咬み合わせがうまくいっていないと、咀嚼時に口が開いてしまうために、クチャクチャと音を立てて食事をするようになってしまいます。また、このような咬み合わせを放置していると、体の歪みなどに発展することもあります。
正しい咬み合わせとは、上顎と下顎がまっすぐ咬み合っている状態のことです。矯正治療で咬み合わせを整えると、咀嚼時にきちんと口が閉じるようになるため、美しく食事をとることができるようになります。
変なところから歯が出ている(八重歯)
乳歯から永久歯に生え変わる際、他の歯よりも遅れて生えてきた「犬歯」が歯列から外れてしまう状態を「八重歯」といいます。八重歯は可愛らしくチャームポイントと感じる方もいますが、歯が重なって生えている状態のため、磨き残しが多く虫歯や歯周病の原因となりやすい側面もあります。
そのため、八重歯のある患者様のなかには、美しい歯並びを目指し、歯の健康を守るために、矯正治療を検討する方もいます。矯正治療を行うことで、八重歯を本来あるべき正しい歯列に動かすことができます。
いびきをかく
いびきは肥満や睡眠時の舌の位置などが原因で気道が圧迫されることによって生じます。歯並びが悪く、舌の収まるスペースが狭いと、眠っている時に舌が気道側に落ちやすく、いびきの原因になってしまいます。
そのため、矯正治療を行い、舌の収まるスペースを十分に確保できると、歯並びがよくなるだけでなく、いびきが解消される方もいます。
いつも眠そうである
歯並びが悪く、舌の収まるスペースが狭いと、舌が気道を塞ぐことによる「睡眠時無呼吸症候群」が生じやすくなります。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が滞ってしまうことで、1時間に5回、7時間に30回以上10秒以上の気流停止が見受けられます。睡眠中に呼吸ができなくなってしまうわけですから、睡眠時無呼吸症候群になると睡眠の質が大きく低下し、日中も眠い、気がつくと寝てしまうなどの障害が起きます。
睡眠時無呼吸症候群の原因が歯並びである場合、矯正治療を行うことで状況の改善が望めます。