鼻呼吸と口呼吸の違いについて
”鼻呼吸”
①空気中のごみを取り除くフィルターの役割をする
②空気の温度を体温と同じ温度に暖める
③無数の粘液腺があってゴミや細菌を吸着する
④絶えず鼻水を分泌し、湿り気を与える
⑤脳を冷やす
“口呼吸”
①空気中のゴミがそのまま気管支や肺に入る
②冷たい空気がそのまま気管支や肺に入る
③無数のゴミや細菌がそのまま気管支や肺に入る
④乾いた空気がそのまま気管支や肺に入る
⑤脳が冷えない
鼻の重要な生理的機能として、”加温”と”加湿”がある。”加温”は鼻中隔と鼻の側壁に分布している海綿静脈叢が関与しているといわれている。冷たい空気が鼻に入ると、自律神経の反射が起こり、血管が拡張して空気が暖められる。そして熱が奪われた血液と空気の流通により、脳が冷える。つまり、鼻は脳のサーキュレーターの働きをしているのである。”加湿”には副交感神経が関与しており、1日に1ℓ程度分泌する鼻線により吸気に湿り気が与えられる。”鼻呼吸”は“口呼吸”と比較して、約2℃温度が高く、2mmHg高いと報告されている。つまり“口呼吸”は”鼻呼吸”に比べて冷たく乾いた空気が気道に入ることになる。それによって気道の水分が失われ、肺の膨らみやすさが減少し、換気の低下を招く。また乾いた空気は、声門の狭小化と下気道の収縮を起こすとされている。